| In
The Name Of Love / Artist United For Africa
アーティスト名を見てピンと来た人は、様々なチャリテものを持ってる人だと思うが、このアルバムは想像通り、アフリカのザンビアを中心とするエイズ禍を救済しようというチャリティ・アルバムで、タイトルから類推できる通り、U2の代表曲を色々なアーティストでカヴァーしようというもの。特に、このアルバムの特徴となっているのは、集まったアーティストが全てクリスチャンであるということだ。まぁ、四の五のいうよりもアーティストを紹介したほうが早いんだろうが、シックスペンス・ノン・ザ・リッチャー、ジャーズ・オブ・クレイといった有名どころに加え、オーディオ・アドレナリンやらニコール・ノードマンといった渋い名前も見えるが、もちろん聴いたこともないアーティストもいる。すなわち、決して豪華なU2トリビュート・アルバムではない。そして、ここには未知のバンドを見つける楽しみが隠されていたりもするのだ。無名ぞろいだけど、このアルバム、出来はいいぞ!(村上太一)
Volcano
/ Edie Brickell
エディ・ブリッケルといえばニュー・ボヘミアンズを率いて、80年代の後期から90年代にかけてアメリカでもチャートを駆け巡った、いわゆるネオ・フォーク系のシンガー。ポール・サイモンの元妻としても知られるシンガー・ソングライターなんだけど、嬉しいことに未だに現役なんだな、これが。とにかく日本ではAAA系を出してくれないユニバーサル傘下の小さなレーベルに所属しているため、おそらく今後も日本盤の発売は望めないと思うが、このアルバム、エディの今までの代表作を軽く凌駕する、素晴らしい完成度なのだ。アメリカのAAAステーションでは既にアルバムからの第2弾がかかりはじめているし、アルバムの認知も広がってきているようなので、遅ればせながら、もうじきブレイクするかも。プロデュースは、なんと、チャーリー・セクストンで、ほぼ全曲でギターも弾いているというオマケもある。フォーキーな女性ヴォーカルが好きだという人には是非にとお勧めしたい。(村上太一)
Jonatha
Brooke / Back In The Circus Bad Dog Records
90年代以降に登場した女性SSWのなかで、個人的なファイヴァリット・アーティスト・ベスト10内で不動の地位をキープし続けるジョナサ・ブルック。そんな彼女が今年発表した最新作である。80年大後半から90年代初頭に活動したThe
Storyという女性デュオ・グループを経て95年からソロへと転身。ソロになって1、2作目は日本発売もされたのだが、それ以降の作品は自身のレーベルからのリリースとなり日本盤としては残念なことに陽の目をみていない。切々と感情を表現したヴォーカルと愁い帯びた良質なメロディが彼女の魅力だと思うが、本作においてもそれらは健在でより深みを増した感もある。サウンド的には音数が少ないアレンジなので、よけいに彼女のヴォーカルが全面に出ているようにも感じた。タイトルやジャケット・フォトからも“Circus”が何らかの形でイメージ付けされているが、意外にも「Fire
And Rain」(J・Taylor)「God Only Knows」(Beach Boys)「Eye In The Sky」(Alan Parsons
Project)といったカヴァー曲を取り上げていて、再度、そうした曲の素晴らしさを彼女に教えられた。ちなみに彼女、美人です。(増子仁)
Pat
McGee Band / Save Me Warner Bros
前作も日本発売されなかったので今回もダメかなぁという思いつつ、紹介するのがこのPat
McGee Bandの最新作。ちなみに米でも4月6日にリリースされたばかりのホヤホヤのニュー・ディスクだ。メジャー・デビューは2000年ということなので2作目となるわけだが、米ヴァージニア州をベースに活動していた彼ら、地道なツアーが実を結びアマチュア時代のアルバムが10万枚も売れたらしい。メジャー・デビュー後もカウンティング・クロウズやウォール・フラワーズなどと精力的に全米をツアー、ファン・ベースを増やしている。本作はFive
For Fightig(America Town)やDishwalla(Opaline)などで知られるプロデュサー、Gregg Wattenbergが全面バックアップ。両者が好きな方には分かってもらえると思うが“胸キュン”なロック・アルバムに仕上がっている。業界筋ではトリプルAを中心に活動展開していくという話も出ているし、フロント・マンのPatもなかなか男前ということでトリプルAファンの女子達はチュックする価値ありなのでは?(増子仁)
Candy
Butchers / Hang On Mike / RPM RECORDS / JK 90855
シンガーソングライターのマイク・ヴィオラ率いるキャンディー・ブッチャーズ。メロディといいピアノの旋律といいコーラスといい、トッド・ラングレン的なポップスセンスを感じさせる、非常にメロディオリエンテッドで良質なナンバーが収められたアルバム。70年代のボストン郊外に生まれ13歳では既にミュージシャンとしての才能を発揮していたというマイクは既に96年に初の作品となるアルバムを発表している、ミュージシャンとしてはなかなかのキャリアをもった人。これは企画盤なども含め6枚目の作品で、オリジナルフルアルバムとしては3作目にあたる。かの老舗音楽誌「ローリングストーン」レヴューでも三ツ星の高得点をもらっていたが、確かにアコースティックからパワーポップ的アプローチ、ダークな色合いをもったバラードまで、それぞれの曲によって様々な表情を見せてくれるこの作品は、大人のリスナーの為のハイ・クオリティなポップアルバム。最近ではギャビン・デグロウなどにも通じる所のある、トリプルAファンに“モロ”はまるアーティストだろう。注目のメロディメーカーだ。(磯崎奈穂子)
Christopher
Holland / Brother Sun Sister Moon / BEAUTIFUL RECORDS / BT004
イギリス・グリニッジ出身のシンガーソングライター、そしてキーボーディスト、現在37歳のクリス・ホーランド。この名前を聞いてピン!と来た方はなかなかの音楽通、この人のお父さんは元スクイーズのジュールス・ホーランドなのです。今でもBBCで老舗&看板音楽番組「ジュールス倶楽部」のホストを務め、数々の大御所との共演を果たしている現役ミュージシャンの父とは違い、バックミュージシャンとしてやソングライターとしていくつかの作品に登場したりはしていたようだが(詳細は今調査中)、本人は実にマイペースな活動を続けているようで、このアルバムが個人名義では初のアルバムと言う事になるのではないだろうか。この人のオフィシャルホームページでは、何故か現在自分の音楽活動ではなく、自分の家が建つまでのプロセスを逐一アップロードしている・・・面白い人だ。父譲りのソフトな歌声で極上のポップソングを歌う彼、多くフィーチャーされたオルガンやフレンチポップス的なアプローチから、ユニークな歌詞などさすがはイギリス人特有のウィットが満載という感じだが、ベル&セバスチャンなどと重なる部分も多いかも。その辺りが好きな方は是非チェックすべし。(磯崎奈穂子)
Pat
Green Republic / Wave On Wave / UNIVERSAL SOUTH B0000562-02
正直に告白すると、初めて聴いたパット・グリーン。まるでゴルフ用具のような名前だけど(笑)、テキサス出身のカントリー・シンガー&ソングライター。デビューは1995年、グリーンホース・レコーズからリリースされた『ダンスホール・ドリーマー』というアルバムだった。その後2001年10月にユニバーサル系列からアルバム『スリー・デイズ』でメジャー・デビュー。そして本作は2003年7月にリリースされたメジャー2作目、通算7作目(ライヴ盤含む)にあたる。プロデュースはジョン・メレンキャンプやフーティ&ザ・ブロウフィッシュ、ナンシー・グリフィス、ブルース・ホンズビー、R.E.M.を手掛けた敏腕ドン・ゲーマンとくれば、推して知るべし。上質なカントリー・ロック・ナンバーがたっぷり詰まったアルバムなのだ。バイオリンやバンジョー、マンドリンなど、カントリーでは必需品の楽器がフィーチャーされてはいるが、決してカントリーどっぷりではなく、ポップ感覚に溢れている。この辺のバランスが素晴らしい!さらにパット・グリーンのヴォーカルが押しつけがましくないのがいい。カントリー界から飛びだしてビッグになる可能性も充分にあると見た。現在6人のバンド・メンバーを従えてツアーを行なっているが、メンバーとの関係がとてもうまくいっていることがこのアルバムからも分かる。パット・グリーン・バンドのアルバムといっていいほどの一体感があるのだ。ともあれ、全米カントリー・チャートで最高位2位を記録、50万枚以上のセールスをあげているこのアルバムを、特にカントリー・ロック好きにはぜひ聴いて欲しいと強く思った。(栗原賢治)
Kenny
Loggins / It's About Time ALL THE BEST! RECORDS 0001-2
ロギンス&メッシーナの時代を入れれば、32年ほどのキャリアを積み重ねてきたシンガー・ソングライター、ケニー・ロギンス。70年代末から80年代にかけての活躍には目を見張るものがあり、音楽ファンならずとも映画「フットルース」の主題歌を聴いてファンになった人も多いだろう。そんなケニー・ロギンスは90年代に入ったころから家庭や家族に向き合うようになる。子供向けの歌をまとめた作品を発表したり、自然破壊や環境問題にも目を向けるようになったのもこのころだったと思う。サウンドも当然ナチュラルな、アコースティック・ギターを基調としたものが多くなり、その延長だと思ってこのアルバムを聴いてみた。確かにそういう傾向はあるが、全体を聴いた印象は意外にも“力強さ”だった。バラードの名手リチャード・マークスと共作した曲が全10曲中4曲もあり、それぞれミディアム・テンポの美しいバラードに仕上がっている。それなのに力強さとは・・・恐らく78年の『ナイト・ウォッチ』や79年の『キープ・ザ・ファイア』を彷彿とさせるような雰囲気を感じ取ったからだと思う。タイトル曲「イッツ・アバウト・タイム」はマイケル・マクドナルドとの共作曲。そう、あの名曲「ホワット・ア・フール・ビリーヴス」の黄金コンビが復活したというわけだ。今年57歳になったケニー・ロギンス、ハート・ウォーミングな歌を歌い継ぐ姿勢は変わらないものの、往年のパワーが戻ったようで、小生は嬉しいのだ! (栗原賢治)
|