08.24.04

リチャード・マークス
マイ・オウン・ベスト・エネミー

TOSHIBA EMI/TOCP-67436/¥2,500
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 しばらくプロデュース業に専念していたリチャード・マークスが表舞台に帰ってきた。87年のデビュー後、超売れっ子となり、プロデュース・ワークもこなしていたが、90年代半ばを過ぎると、アーティストとして人気は陰り、裏方に徹するようになっていた。今回発表した新作は4年ぶりのオリジナル・アルバム。本来のリチャードらしさが溢れた素晴らしいアルバムに仕上がっている。類いまれなメロディー・センスを活かしたミディアム・テンポのロック・チューンや心震わせるバラードも聴けるし、なによりあのハスキー・ヴォイスにまったく衰えはなかった。リチャードの復活を仕掛けたのは現ブルーノート・レコードの社長ブルース・ランドヴァル氏。リチャードの才能を見いだし、デビューに導いた人物だ。ソロ・アーティストとして復帰するつもりなどなかったリチャードはランドヴァル氏の依頼に驚きながらも応えた。その結果がこのアルバムなのだ。数多くのアーティストに曲を書いてきたリチャードが久しぶりに“自分のために”曲を書いた。その過程は恐らくアーティストとしてこの上ない幸せを感じたはずだ。その幸福感、充実感、そして自信がギターの一音一音に、歌の一節一節に満ちあふれている。全編にみなぎる力強さ・・・。そう、新作のいちばんのセールス・ポイントはこの“力強さ”にあると思う。そして聴けば聴くほど味わいが増すのだ。2004年夏、リチャード・マークスの復活に心踊る思いだ。
(栗原賢治)
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